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zoom RSS 錯覚だった5年余りの小泉人気

<<   作成日時 : 2006/10/30 02:10   >>

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**( 小沢一郎・メルマガ )
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※- 錯覚だった5年余りの小泉人気 ( 世界週報 2006.9.19 )

小沢一郎民主党代表への・インタビュー

しばらく鳴りを潜めていた小沢一郎氏が、民主党代表として舞台に戻ってきて半年。

この間、小泉純一郎首相は政権の総仕上げに向けて、訪米、G8サンクトペテルブルク・サミット(主要国首脳会議)出席。

そしてアフリカ、中東、モンゴル、中央アジア訪問と、内政を意識した外交パフォーマンスが続いた。

8月15日「終戦記念日」には靖国神社を参拝、自民党総裁選での5年前の公約をついに果たした。
開き直ったかのような小泉首相の政治的アクション。だが、中国側は今回、抑制的な反応に終始した。

9月に幕を降ろす5年余の「 小泉劇場 」 を、小沢氏はどう見ていたのか。


☆・外交を考えてこなかった日本


<小沢代表は自民党の時代から「日本改造計画」という形で国家戦略ビジョンを冷戦後に出しておられる稀有な政治家ですけれど、「外交の要諦」をどうお考えですか>

小沢 : 外交といったって、基本は「人と人」だ。国といっても、人の集まりなんだからね。

まずは明確な主張を持つことですよ。 理念・哲学と主張が第一 。 主張を持たないと話し合いにならない。 何を言っているのか分からないというのでは話にならない。

日本外交というよりも、日本人自身の問題だと思う。もっときちんと自らの考えを持たないと、外交も成り立たない。

外交は自分の考えをきちんと持った上で、お互いの国益と利害を代表して議論するのだから、考えのない人とは最初から議論にならない。

議論した上でお互いに調整するところは調整しなきゃならないし、譲るところは譲り、そして約束したことは守る。ごく当たり前のことだね。それが、日本人にはないということが問題なんだ。


<日本外交は常に状況対応型と言われています>

小沢 : 日本人は、そういう手法なんだ。本格的な外交交渉なんて、これまでしたことがないわけだからね。


<島国の特徴ですか>

小沢 : 島国といってもイギリスみたいな国もある。日本は島国であるだけでなく、外敵にさらされなかったんだ、黒船来航まで。非常に恵まれていた。

平和で豊かでいい国だったんだね。それだけに外交という感覚がない。豊かだったから、それほど自己主張する必要がなかった。

だから、「和を以て尊し」になってしまう。できるだけ平等にやっていこうというのがコンセンサスなんだな。日本はまだ、その延長線上にあるからどうしようもない。


<今のままでは真面目に、本気になって日本政府と対話しようという国はないんじゃないか。いまだにそうですか>

小沢 : そう思うね。例えば、1989年にベルリンの壁が崩壊して「冷戦終結」宣言がありました。

そこまでは、日本の場合、第二次世界大戦で敗北した後、冷戦構造というものが、所与のものとしてあったわけです。外交も、その中でやっていた部分がある。

小沢 : 冷戦にしても敵・味方の構造でしょ。敵・味方の構造の中で、特に日本は、敗戦に加え、日本を独り立ちさせないというアメリカの意向もあって、その他の状況はすべてアメリカがつくるから、「日本は金儲けしておれ」となった。

冷戦構造を「監獄」と言ってもいいし、「温室」と言ってもいいけれども、その中に入っていたから非常に楽だった。 


たまたま経済はうまくいった。ところが、冷戦の終結で日本は、「監獄」から放たれて、「温室」から出されて、外は冷たい風であろうが熱い風であろうが、自分で世間の荒波を越えて行けと言われた。

それでいまだに、非常に戸惑っているんだろうね。国民自身もそうだろう。どうしていいか、分からない。

だから、何でもいいからアメリカの言うことを聞いていればいいや、となっている。そこに落ち着いちゃう。


<日米さえうまくいっていれば、ということにつながるわけですね>

小沢 : 小泉流というのはそうでしょ。自分じゃどうやっていいか分からない。

とにかくアメリカの機嫌を取って、機嫌を損ねないようにする。それでいいんだということしか思い付かない。


<外交をあまり考えてこなかったということですか>

小沢 : 今まで何も考えていないですよ。 「日本人は嘘つき」で始まった日米交渉


<1989年の末くらいから、小沢代表が官房副長官だった時代ですが、とりわけアメリカとの経済摩擦があって、日米交渉は小沢さんが表舞台に出てやったことがありますね>

小沢 : あの頃、日米経済問題は、政治的にもどん詰まりになって、もうこれ以上は引き延ばしを認めないというアメリカの強硬な圧力の中で、どうしようもないから、「 お前が行って来い 」という話になっちゃったわけ。でも、あれはひどい交渉だったよ。


日本人に対する不信感という問題から始まった。日本人は嘘つきだ。いくらお前たちと話をしたって、一度も約束を守らない。そういう話から始まったから、容易じゃない。


<日本側に自分の考えがないからですか>

小沢 : そう。それで、何となく日本的に相手の言うことに相槌を打ったりするでしょ。言葉だけじゃなくて、ご機嫌を取る。へらへら愛想笑いをする。

それでごまかして適当にやるから、自分の考えと全然違う文章をこしらえて、結果的に平然としているわけだ。

官僚は悪意からじゃないんだけれど、つまり日本の産業を守らなきゃいけないという使命感から発したものなんだけれど、それだけしか頭にない。

どうしたらいいかという考え方も方策もないから、結局、結果的には嘘つきの繰り返しになっちゃったわけだ。

佐藤内閣時代の繊維交渉は非常にシンボリックなものだった。だから、その影響がずっと残った。
 
 「 親父 」 は世論を読み取った

佐藤時代の日米繊維交渉の話が出ましたけど、例えば、当時通産相で繊維問題に取り組んだ田中角栄は首相になって、日中国交正常化を成し遂げたわけですよね。


<僕らが見ていて、角栄という人はかなり自分で創造的なことをやろうとしたんじゃないかと思うんです、外交的にも>

小沢 : 状況をみる判断が素早いんだ。あれは、国内の情勢が日中国交正常化を是としていた時なんですよ。台湾だのなんだのと言っていたのは、永田町だけだった。

日中国交については、(世論は)みんないいじゃないのとなっていた。

田中角栄はそこをパッと読むわけだ。その点、彼はものすごく才能があった。


<やはり普段から庶民と付き合っていたから、世論の動きが分かったんですか>

小沢 : 天性の才能だろうな。世論を読むだけじゃなくて、役人が何を考えているのかとかにも早く気が付く。自分でこうだからこうするという理念的な方針でやっていたわけではないんですよ。


<小沢さんと比べてその辺はどうですか>

小沢 : そこは違う。僕はむしろ、世論とか世の中が変わらなきゃいかんと言っている方でしょ。

でも、彼は現在の状況を見て自分の行動を決める方だった。そこは時代が違うから全然違う。親父(田中角栄)の時代は親父のやり方でよかった。

でも僕は、冷戦崩壊後はそれでは駄目だと言っているわけですよ。僕は親父の一番弟子だから、田中流のやり方はなんぼでも分かる。

ただその理念は、今の時代は通じない。やっちゃいけないんだ。世論調査をして、そっちの多数派の言う通りにやれと言うのだったら、なんぼでもできる。けれども、そのやり方では道を誤る。


<そういうような手法だとビジョンとか理念は必要ないということですか>

小沢 : 必要ない。全体の枠組みは冷戦構造と東西対立、そしてアメリカの庇護の下で個別の枠組みが全部決まっちゃっていた。

その中での政治話だから、あとは国民の動向次第。それを読んで、何事かをやればいいということになる。だって、その枠以外のことはできないんだからね。逆に、枠内であれば、何でもよかった。


<ある意味では楽だったんですね>

小沢 : 楽だったね。でも、田中の親父はそういうことを見るのが早かった。


<田中時代に第一次石油ショックというのがありました。あの時、田中首相は資源を日本のために自前で獲得しようと外交をしたわけですね>

小沢 : そうだと思う。彼は高度成長論者だからね。論者というよりも、日本の高度成長がこのまま続くと思っていた。

彼の「日本列島改造論」では、確かこのままでは、3億キロリットルの原油、鉄鋼生産が2億トン必要になる。

そういう前提だから、これじゃ大変だ、どこかでちゃんと確保しなくてはいけないと思ったんじゃないかな。


<それは与えてくれるものじゃなくて、自分で探してこなきゃいけないという感じですか>

小沢 : そう。だから、中東原油だけでいいのかとか、いろいろあったんじゃないの。


<その辺も独自性を発揮しようとしているんじゃないかとアメリカに見られ、アメリカが田中元首相をロッキード事件で罠にはめたとも言われてますね>

小沢 : 俗にそう言われているけどな。それも本当かどうかは知らない。アメリカがそう思って(ロッキード事件の情報を)出したかどうかは知らないけれど、アメリカ人というのは往々にしてそういうことをやるよね。
 

 外交も国会対策と同じ
 
これまで官房副長官、自民党幹事長の時代を含め対米交渉を任されて、本気の交渉をして「タフ・ネゴシエーター」とか言われました。

それを通じて、アメリカというのはこういう国なんだ、という小沢さんなりのアメリカ観はどういうものですか

小沢 : アメリカは単純といえば単純。それほど複雑な策を弄するとは思わない。

アメリカとの交渉では「お前は信用できない」というところから始まって、ギャンギャンギャンギャン議論したけれど、最後は「 お互い良い仕事ができたね 」 って握手して別れた。


<変に媚びないっていうことなんですか>

小沢 : そう。ちゃんと言えばいいんです。それはおかしいよ、それは認められない、これはいいよと。とにかくはっきり言うこと。それで約束したことは守る。人間同士だから当然。それだけだよ。


<外交も内政も同じなわけですね>

小沢 : そう。みんな同じ。国会対策だって同じだ。


<相当、長い視点で付き合っているわけですね>

小沢 : そう。日中外交はこれまで、どういう考え方でやっていくかという根本がないから、長期という考え方そのものがあるわけない。

その場その場を何となくごまかしていくだけだから、長期の視点はあるはずがない。


<今の小泉外交ですが、この5年半くらいどういうふうにお考えですか>

小沢 : 一緒です。小泉外交などというものはない。
 


 日米中・三角形を成してないのが問題
 
<最近、小沢さんは「日米中正三角形論」を言われていますね。その意味合いは>

小沢 : 正三角形でも二等辺三角形でもなんでもいい。たまたまそんな話になっただけで、「正」か「二等辺」かが問題じゃなくて、日米中関係が三角形になってないから問題だということです。

米中の一辺だけが存在していて、日本はあっちの方にポツンと点として存在していて、辺を成していない。格好のいい三角形を成すような関係にしなきゃ駄目だということですよ。

しかもできれば、日本がその要にいて、三国間の利害調整を図っていくという立場にならなければならない。


<日本は無視されているということですか>

小沢 : 問題外、蚊帳の外ということ。だれも相手にしていない。そう言うと、日米は仲がいいじゃないかとか言う人がいるけれど、全然それは違う。

日米関係は形があるけれど中身がない。日中は形も中身もない。最近、僕はキッシンジャーの言葉を引用するんだよ。

彼らが仲間内で日本について何と言っていたか、朝日新聞で出ていたけれど、「日本人は信用できない」といった言い方、考え方で話しているんだ。

彼らにとって日本はその程度なんだ。 同盟国でも何でもない。 アメリカに尻尾振ってついてくる限りは、いい子いい子と言っているだけなんだ。 日本は本当の同盟国にならなきゃいけない。


<はっきり自分の主張もビジョンも持って言わなきゃいけない>

小沢 : 日米関係はどうあるべきか、日米の役割はどう分担すべきか、そういうことをきちんと言っていないでしょう。
 
 心配するな、「 国乱れて忠臣あり 」


<改革の道は、先が長いですね>

小沢 : 確かに先は長いけれど日本人は馬鹿じゃないからね。ただ、まだ世の中が豊かで平和なんだ。

でも、日本も捨てたもんじゃない。明治維新がいい例だ。徳川260年間、閉鎖的な世の中がずっと続いてきた。

なのに、何で明治にあれほどのリーダーが出たのか。「 国乱れて忠臣あり 」 だね。心配するなって。


<まだ乱れなきゃ駄目ですか>

小沢 : もっと乱れないと駄目なんだろうね(笑)。乱れるというのは普通、対外的には外敵に攻められることだが、日本はそれがなかった。外的乱れは今でもない。

ただ、日本は内的乱れがものすごくて、この5年間でひどく進行した。あのいい加減さ、無責任さだからね。


<今の社会的な家族の乱れとか>

小沢 : 日本社会は、メルトダウンの感じになってきた。


<何でもありの社会になってきましたか>

小沢 :人間の社会じゃないみたいになってしまった。ノンルールだ。モラルとか倫理とか道徳とかがさらさらない。

「日本人」はどこに行ったのか、ということだ。日本人の良いところがまた無くなってしまった。これは「餓鬼道」だと思う。


<来年の参院選挙に向けて、やるべきことがたくさんありそうですが>

小沢 : 選挙に勝たなきゃどうしようもない。ただ日本人は、論理的な結論ではないけれど、何とはなしに、このままじゃおかしいと思っている。

自民党に票を入れている人たちもこのままで本当にいいのだろうか、どうも不安だと思っている。ただ、もう一歩越える勇気がないんだね。


<踏み出せないんですね>

小沢 : おっかないんだよ。何となく、変わっちゃったらどうなるだろうと思ってしまう。だから、もう一歩なんだ。

票を見てみなさい。 民主党は去年の総選挙で減っていないんです。 2480万票取っている。 ただ「 小泉劇場 」で増えた分が、自民党によけいに流れただけだ。

底辺では、みんなおかしいと思っている。小泉人気というものは錯覚なんだ。

何となく小泉さんは何かやってくれるんじゃないかと、ずっと5年間期待し続けてきた。(小泉首相は)なかなかテクニックがうまいからね。


<人事のやり方なんかが上手いんですか>

小沢 : 彼は人間的情がないからできる。そういう人が権力を取っちゃった。権力者は人間関係を一切いとわなければ何でもできる。

小泉さんは情というものがない。僕は理を重んずる方だけれど、彼は理もないんだ。(小泉首相には)理がなくて、情もないから問題なんです。


<歴代の総理にないタイプですか>

小沢 : その意味で、似ている政治家はスターリンだと思う、あれほど頭は良くないけれど。要するに、次々に仲間を殺しちゃうでしょう。


<去年なんか、まさにそういう感じでしたか>

小沢 : だけど、それほどは能力がないから、独裁者にならないで済んでいる。 彼にもっと能力があったらすごい。全権力を握るんだもの。マスコミだってなんだって、みんな(首相の)言う通りじゃないか。

本当に立ち向かったら、「 この野郎 」とつぶされる。だけど、本当は権力というものはそういうものなんだ。それほど強大なものなんだ。

何にも情がない人が権力の座に着いたから強かったんだよ。恐るべきだよ。


( 世界週報「小泉外政論・内政論第9回」より転載=時事通信解説委員 鈴木美勝 )  
*-*

民主党代表 小沢 一郎氏 
おざわ・いちろう 1942年生まれ。慶応大経済学部卒業。69年衆院議員初当選。自治相・国家公安委員長、内閣官房副長官、自民党幹事長などを歴任。93年自民党を離党後、新生党代表幹事、新進党・自由党党首などを経て、2006年4月より民主党代表
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